あらすじ
私立百花王学園はギャンブルによる階級制度によって支配されている。ギャンブルで負け負債を負っている鈴井涼太はクラスメイトの早乙女芽亜里に家畜同然の扱いを受けていた。このクラスに転校してきた蛇喰夢子は転校早々芽亜里に「投票ジャンケン」を挑まれるもギャンブルに勝利し、また夢子からお金を貰った鈴井涼太は家畜から脱却した。夢子の活躍は校内で噂になった。生徒会役員の皇伊月は夢子と「ダブル神経衰弱」を、同じく生徒会役員の西洞院百合子は夢子と「生か死か」のギャンブルを行う。ギャンブルの末夢子は3億1000万円の借金を負い、家畜とになった。
家畜が持つ唯一の権利は公式戦も申し込みであり、生徒会役員は公式戦を断ることはできない。夢子は生徒会長とギャンブルをしたいと思うようになり、その過程で生徒会役員とギャンブルをしていくこととなる。
感想
本作の特徴として視聴者は鈴井の視点で主人公の夢子を見ることになります。夢子がギャンブル狂なのに対し鈴井は一般的な感覚の持ち主であり、鈴井が視聴者の代弁をする形で物語は進行していきます。視聴者がギャンブルに魅了されるのと同じように鈴井もギャンブルに魅了され、最終回では己のギャンブルをしてくれました。公式がアドレナリン分泌系アニメと言っていますが、鈴井に感情移入することで本当にアドレナリン出るようでした。(もちろん面白いのはこの回だけじゃないですよ)
ギャンブル漫画なのでイカサマも平然と出てきます。最初はイカサマに気づいてもそれを利用して勝利するという辺りに夢子の強さを感じました。しかし、それだけだったらワンパターンな作品になっていたかもしれません。債務整理大集会では芽亜里と手を組み巨額の借金を返済、生徒会からお金を分捕ることに成功しており、こちら側もイカサマをしていることで面白さがありました。
ギャンブルに魅了された人々として夢子はもちろんですが、生志摩妄のような命をかけてギャンブルをしたいという強烈なキャラがいたこともインパクトがありましたね。前半はお金をかけていたのが、生志摩、夢見弖ユメミ、豆生田楓と人生を掛けるギャンブルに内容が変化していき、負けられないギャンブルのドキドキ感が良かったです。
初期の芽亜里はクラス最強でやりたい放題でしたが、夢子に敗北し借金を負い家畜になるんですよね。クラスの2/3に対して貸付がありクラスを仕切っていたところから家畜への転落人生、同情の余地が少ないキャラでした。しかし債務整理大集会では夢子と協力することで借金を返済、これがきっかけで夢子と友達になります。周囲の人を支配下に置くリーダー格のキャラから、家畜の惨めさを知って友情キャラに代わってくれた感じですね。
もう一人特徴的な子は皇。「選択ポーカー」で夢子のパトロンとなり、豆生田楓に復讐を果たすことになります。本来の目的は夢子を生徒会長にして自らも生徒会役員に復員することだったんですが、夢子に乗せられて大勝負に挑むことになります。夢子に人生を託して勝負をするのは痺れますね。
夢子がギャンブル狂として本性を出すところが面白く、そして興奮します。ギャンブル作品ってジリ貧主人公が人生掛けて戦うことが多いイメージですが、本作はギャンブルを純粋に楽しんでいて新しさを感じました。
ギャンブルの魅惑をよく表現していたと思うので星4以上ですかね。 ★★★★
原作
河本ほむら、尚村透スクウェア・エニックス「月刊ガンガンJOKER」刊行
スタッフ
監督:林祐一郎シリーズ構成:小林靖子
キャラクターデザイン:秋田学
音楽:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
アニメーション:MAPPA
キャスト
蛇喰夢子:早見沙織早乙女芽亜里:田中美海
鈴井涼太:徳武竜也
皇伊月:若井友希
桃喰綺羅莉:沢城みゆき
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