2017年9月13日水曜日

冴えない彼女の育てかた♭ 感想

あらすじ

 オタク高校生の安芸倫也は、桜舞い散る坂道でクラスメイト加藤恵に出会った。その光景を忘れられない倫也は加藤をメインヒロインにしたギャルゲーを制作したいと思い付き、イラスト担当には金髪幼馴染で同人イラストレーターの澤村・スペンサー・英梨々、シナリオ担当には才色兼備な先輩でラノベ作家の霞ヶ丘詩羽を招き入れ、ゲーム作りを開始した。そしてゲームが1ルート完成した冬コミ2ヶ月前から物語は始まる。

 シナリオの完成を祝い、倫也と詩羽はデートをした。詩羽は近くの大学か、関西の大学かどちらに進学すべきか問いかけ、そして最終ルートの新シナリオを倫也に託す。倫也はこの新シナリオもゲームに収録したいと考えるが、その最中シナリオの致命的なミスに気づくのだった。
 シナリオのリテイクとルート追加により、英梨々の原画に遅れが出始めた。英梨々は絵のクオリティを維持しつつ納期までに全て描き上げるのだが、疲労と高熱のため倒れてしまう。倫也はマスターアップを投げ打って英梨々の看病に向かうのだった。
 そして何とか冬コミを迎えたのだが、サークル存亡に危機に陥る……

感想

 アニメ第1期は視聴済みの状態で第2期、つまり本作を視聴しました。
 第1期は英梨々や詩羽を誘うところが印象的で恋愛部分が一味足りない感じだったと思いますが、第2期は各キャラパートがしっかりしていて恋愛も濃かったと思います。
 一応前作見ていない方も楽しめると思いますが、第1期から見ると感動も倍増ですね。
 第2話から詩羽先輩ルート突入。
 詩羽が書いた初稿、二稿に対して糞ゲーと言い放つ倫也。先輩の気持ちに気づかない鈍感さは定番の主人公。
 第4話では怒る先輩が倫也宅でシナリオ修正。距離が縮まりつつも、間の入浴シーンで詩羽が泣くシーンはいい描写している。

 第6話からは英梨々ルート突入。
 ゲームの完成より英梨々の体調の方が大事という倫也。マスターアップしなかったことに最初は怒っていたが、仲直りまでがあっさりしてたかな。
 英梨々ルートの内容が後々効いてくるのは面白い。

 ゲーム完成後、7話終盤からは加藤激怒でルート突入。
 加藤はゲーム制作を投げ出した倫也に対して怒っていたのだが、いつも通り感情をあまり見せないヒロインとしてフラット描写を巧みに描いてた。
 第8話のついに魂が入った加藤もメリハリがあって好き。

 そして9話からの急展開は衝撃でした。
 9話の「この企画のために死ねと言った奴がいたわ」は好き。言葉のチョイスがいい。私自身時々イラストを描いたりしますが、創作は重労働なんですよね。本当に死ぬ気がないと時間とクオリティを維持できない。
 高坂朱音に馬頭された英梨々がスランプを脱したことについて、倫也といると絵が描けないと泣いたシーンは名シーンだと思う。泣くところの作画に力が入っていて、ぬるぬる動いていたのも良かった。
 英梨々と詩羽の決断を聞かされた後の最終回、例の坂で倫也が泣くがこれには視聴者も泣かされたと思う。

 作品通して恋愛要素はそこそこ良いものだと思います。それ以上に後半の展開が非常に良い。英梨々の泣きシーンの名作画、クリエイターにとって重い言葉の数々は高評価。
 星5つ、満点です。
 ★★★★★

原作

丸戸史明
KADOKAWA「富士見ファンタジア文庫」刊行

スタッフ

監督:亀井幹太
シリーズ構成・脚本:丸戸史明
キャラクターデザイン:高瀬智章
音楽:百石元(F.M.F)
アニメーション:A-1 Pictures

キャスト

安芸倫也:松岡禎丞
加藤恵:安野希世乃
澤村・スペンサー・英梨々:大西沙織
霞ヶ丘詩羽:茅野愛衣
氷堂美智留:矢作紗友里
波島出海:赤﨑千夏

シーズン

2017年春 全11話(TV未放送の第0話含めると全12話)

関連作品

冴えない彼女の育てかた(2015冬アニメ)

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